ダンニンググルーガー効果
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2021 / 10 / 19
仕事も競技も学業も、何の世界でも他者評価が全てです。
自分の能力を高く見積もっていても
上司・審判・教師がそう評価しなければそれが答えです。
そもそも技量や能力は、例えば仕事であれば個人業績のように、大抵は客観的に数値化されているはずです。
ところが不思議な事に、その数値で上位争いすらしていないのに、自分の能力を高く見積もる方が時々おられます。
これを『ダンニング・クルーガー効果』と呼ぶそうです。
簡単に言うと「本物の実力を持つ人ほど自らの能力に疑いを持つのに、能力の低い人ほど過信に陥る」という心理的エラーのことです。
ダンニング・クルーガー効果は、「高齢者の自動車運転に対する自信」などで説明されることも多く、ある研究所が実施した「自動車運転と事故」をテーマとするアンケート調査があります。
その調査によると「自分の運転に自信がある」と回答した率は
・20~29歳は49.3%
・30~59歳は40.0%
・60~64歳は38.0%
・80歳以上は72.0%
であり、最高齢グループが断トツの比率で「運転に自信あり」と回答しているのです。
高齢者による交通事故の多さを考えると恐ろしい結果ですが、「ダンニング・クルーガー効果」という心理的エラーは決して他人事ではありません。
前述した通り、同様のことがビジネスシーンでも散見されます。
ひとえに勉強不足、身の程知らずという言葉に尽きます。
私自身も、昔は学べば学ぶほど知らない事が減ると思っていましたが、実際は逆でした。
つくづく思いますが
自己評価の高さは未熟度の高さです。
将来有望な人材ほど「自分は未熟者」と心得ており
ゆえに謙虚で素直なのです。
足らない事が未熟者なのではなく
足らない事を自覚していない事が本当の未熟者なのです。
人材には「これで完成」という行き止まりはありません。
自己評価が高いと、自分がまるで完成してるような錯覚に陥り、他人から学ぶ素直な目が曇るため、成長が減速します。
かつ、自己評価の高さゆえに他人への敬意も欠いてしまいますが、そんな人間を担ぎたい人はいません。
他人を尊敬する事を覚えないと、本当の高みへは到底辿り着けません。
自己評価の高さは、一円の足しにもならず何の加点にもならず、ただただ成功が逃げていきます。
ビジネスマンの土俵上では、客観的数字と他者評価が全てです。