仕送り

「いつか親孝行したい」
大学生ぐらいの頃からふつふつとそんな思いが芽生えていたクセして、いざ社会人となった若かりし頃は、仕送りが重荷で仕方なかった事を覚えています。

「俺が一生この人達を養わなきゃいけないのかな?」
そんな事を思っては気持ちも沈み、我ながら最低なタメ息も吐いていたものです。

けれど今振り返ると、この仕送りこそが、私を私にしてくれたと思っています。

泣いても笑っても、結局自分がやるしかない!!
自分が働かなければ、両親もいずれ野垂れ死ぬ!!

そんな境遇のお陰様で、嫌でも腹を括れましたし、大きく道を踏み外す事なくこの年まで歩んで来ることが出来ました。

決して“ヨイコ”の類ではありませんし、器量の出来た人間ではない私だからこそ、神様がこんな境遇を恵んで下さったのかもしれません。

元来ズボラで自分に甘い人間が、誰のことも背負う必要無い身の上だったら、どんな大人になっていたかわかりません…。

昨年、政府やマスコミが一斉にコロナのインフォデミックを仕掛けてきました。
そのタイミングで母親に気を遣われました。

「貴方も今大変でしょう?仕送りストップしてね」

母親の慈悲深さにはつい言葉を失いますが、今更息子の大切な使命を取り上げないであげてね。

背負う命があるから踏ん張れるんだから。

背負う命の数だけ強くなれると信じて、少しずつ大きな背中を作り上げていくから、どうか長生きして見ててね。

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