苦境や逆境を試練と捉える人は多いと思いますが
楽境や順境を試練と捉える人はそう多くないと思います。

けれども
一生涯における大怪我のリスクでいえば
後者の方が遥かに上だと私は考えます。

前者はむしろ人格研鑽のチャンスです。
厳しい環境のほうが甘くて美味しいトマトが育つように
厳しい環境は人格を研ぎ澄ます好機です。

一方で、後者はどうでしょうか？

｢お金を持って人が変わった｣などという言葉があるように
業績や収入が上向きになると
人格は下向きになるケースが珍しくありません。
私もこの10年の間に散々そういう方々を見てきました。

・他人を見下すようになったり…
・謙虚さを忘れ不遜を極めたり…
・｢現場に任せてる｣と言って遊び呆けたり…
・｢お陰様｣を忘れ｢当たり前｣と思い始めたり…
・与える心よりも求める心ばかり膨らんだり…

挙げ始めたら枚挙に暇がありませんが
成長が止まったり短命で終わった方々が多いです。
だからいつしか私はこう考えるようになりました。

神様は小さな成功体験を与え、私達のことを試してくる。
小さな成功で己に溺れる人なのか？
それとも謙虚に初心を忘れぬ人なのか？
篩(ふるい)に掛けていく。

自分がやってるなんて思ったら自分の器もそこ止まりです。
どれだけ多くの支えの上に今の自分があるのか？
絶対に自惚れてはいけません。